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| 採卵と放流 |
| 岩洞湖には、毎年たくさんのワカサギファンが釣りに来るので、自然産卵分だけでは数が足りなくなります。 そのため、岩洞湖漁協が毎年春に、ワカサギの卵の放流を行っています。 放流用の卵は、岩洞湖で採卵した自家産と、他の湖(主に長野県諏訪湖産、北海道網走湖産など)から取り寄せた卵を使います。 自家製は、岩洞湖のワカサギを捕まえ、そこから取った卵を使います。 |
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まず定置網を仕掛け、親魚を捕まえます。 網に掛かった親ワカサギを網を絞って捕獲、捕獲したワカサギより採卵します。 メスの親魚の腹を絞って卵を集め、オスの親魚の腹を絞って精子をかけ、受精した卵を魚礁代わりの木箱に入れます。 木箱を湖上に張ったロープにくくりつけ、自然孵化を待ちます。 木箱に着いた卵が孵化すると、そのまま木箱が幼魚の漁礁の役割もします。 この方法だと、親魚から卵や精子を集めるために、一匹づつ絞る作業が必要になり、かなりの手間が発生しました。 |
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定置網を仕掛け親魚を捕まえるところまでは同じで、これもけっこう手間が掛かりますが、そこから先が大違い。 捕った魚の一匹づつから採卵するのではなく、水槽に入れた状態で自然繁殖させる方法です。 この方法だと、一匹一匹絞る作業がはぶけ、まだ、自然に受精するので孵化率も上がることが期待できます。 まず、捕獲したワカサギを大きな屋内水槽に入れます。産卵用の魚礁等は特に入れません。 この水槽には常に新鮮な水を送り込み、一昼夜そのままにしておきます。 そうすると、夜間に親魚が産卵・放精して、受精が行われます。 翌日に、水槽内の親魚を取り上げると、水槽の底には受精した卵が残ります。 回収した受精卵は水洗いしてゴミを取り除き、その後別なタンクに入れます。 取り上げた親魚のうち、産卵した固体はそのまま死ぬので取り除きますが、産卵しなかった固体は再び湖に放流するので、親魚も無駄にしません。 (放流に続く) |
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これは杉の木の皮の繊維を木枠に固定したもので、この板ですくうと、卵が繊維に付着します。 両面ですくって、卵が付着した状態で、板を右下の写真の箱(魚礁代わりの木箱)に挿しこみ、木箱を湖上に張ったロープにくくりつけ、自然孵化を待ちます。 一つの木箱には、卵の付着した板が30枚挿し込めるようになっています。 だいたい4月末〜5月10日頃を中心に、木箱が湖水に沈められ、20〜27日くらい水中に浸けられます。 その間、卵が自然孵化し、木箱を漁礁としながら成長します。 その後、木箱を取り除くと、ワカサギの稚魚は群れを形成しながら湖内に散っていくことになります。
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| 岩洞湖には毎年多くのワカサギファンが集まりますし、年々人数は増加傾向にあります。 皆が釣りを楽しむためには、自然産卵だけでは足りないので、卵の放流が必要(2005年時点で2億粒を想定)になりますが、放流だけでは済まない問題もあるようです。 海でも川でも湖でも、産卵された卵がすべて成長できるわけではなく、途中で死滅したり食べられたりして魚体数がコントロールされるわけですが、岩洞湖みたいな閉鎖された湖の場合、餌の確保も大きな問題となります。 ワカサギの主食は、プランクトンや水生昆虫などですが、プランクトンの発生数は、夏季の天候(日照)などで変わるほかに、水に含まれる栄養分でも変化します。 岩洞湖は大きな川の流れ込みもなく、流れ込みの少ない貧栄養湖です。 また、昭和30年代に造成されてから時間もたち、湖底の土砂に含まれる栄養分も、だんだん少なくなってきていることが予想され、周辺の山の樹木も、広葉落葉樹から針葉樹の植林が進み、湖に落ちる枯れ葉も減ってきて栄養分の補給が足りないことが予想されます。 栄養分の補給が減れば、餌となるプランクトンやプランクトンを餌とする水生昆虫が減り、餌が減ればワカサギの成長が遅くなったり、死滅率があがります。
結局、現状の岩洞湖のキャパとしては、2億粒の放流だと餌不足が生じている可能性があります。 放流量は増大しているものの、以前に比べて魚体が小さくなったなんて話も聞きますし、漁協さんの方でも「今後は餌の確保も含め、研究していく必要があるだろう」とのことでした。 |
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